「SESから自社開発へ転職したい」——これはSESで働くエンジニアの中で最も多く聞かれる希望のひとつです。株式会社スキルマークは20年以上のSES事業を通じて数百人のエンジニアのキャリア変遷を見てきました。本記事では、実際に自社開発へ転職できた人と、できなかった人の違いを整理します。
自社開発転職に成功した人の共通点
私たちが観察した中で、自社開発転職に成功したエンジニアには以下の共通点がありました。
① アウトプットの習慣がある
GitHubに個人プロジェクトのコードを公開している、技術ブログを書いている、勉強会で登壇したことがある——これらのアウトプット習慣を持つエンジニアは面接評価が高い傾向にあります。「業務経験」だけでなく「自発的な技術への関与」が重要視されるためです。
② 設計・要件定義フェーズの経験を積んでいる
SES現場では詳細設計・製造・テストに関わることが多く、要件定義・基本設計を経験する機会が少ない場合があります。自社開発企業では「仕様を自分で考える力」を重視するため、上流工程の経験を意図的に増やした人が有利です。
③ 特定の技術スタックへの深い理解
「Java・Spring・Docker・AWS」など、モダンなスタックをセットで深く理解しているエンジニアは引き合いが強い。SES経験は複数技術に触れる機会が多い一方、深さが浅くなりやすい。意識して1スタックを深掘りした人が自社開発転職に成功しています。
転職までの現実的なステップ
- Step 1(0〜3ヶ月):現状把握
現在の年収・月単価・スキルセットを整理。市場価値診断で自分のランクと年収レンジを確認する - Step 2(3〜6ヶ月):スキルの補強
不足しているスキルをSES業務の合間に補強。特にGitHub・CI/CD・クラウド(AWS/GCP)の実践経験を積む。個人プロジェクトをGitHubで公開 - Step 3(6〜9ヶ月):ポートフォリオ作成
自分が作ったものをREADMEに丁寧にまとめる。技術的な意思決定理由を言語化できるように準備 - Step 4(9〜12ヶ月):転職活動開始
複数のエージェント・求人サービスを使い、面接練習を積む。自社開発企業の「プロダクト」を理解した上で応募する - Step 5(12ヶ月〜):オファー獲得・交渉
年収・リモート条件・技術スタックを確認。SESとの年収差分を正確に計算した上で判断する
転職できなかった人の失敗パターン
残念ながら自社開発転職を目指しながらうまくいかなかったケースには、共通のパターンがあります。
- 「とりあえず応募する」型:企業研究が浅く、面接でプロダクトへの理解のなさが露呈する
- 「業務経験だけ頼る」型:SES経験5年以上あってもGitHubが空、アウトプットゼロ→書類で落とされる
- 「年収にこだわりすぎる」型:SESの高還元と比較して自社開発の年収を「低い」と判断。自社開発の長期的なキャリア価値を軽視している
- 「タイミングを逃す」型:「もう少し準備してから」と先延ばしを続け、気づけば年齢的に転職市場での評価が下がっている
SES継続 vs 自社開発転職の判断基準
必ずしも自社開発への転職が正解ではありません。SES継続が向いているケースもあります。
- 月単価80万円以上の案件を継続して受けられる見込みがある(年収的にSESが有利)
- リモートワーク・フレキシブルな働き方を維持したい
- 特定のプロダクト事業より、幅広い技術・業界経験を積みたい
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